〈移動〉が紡ぐ世界――フィールドとテクストの架橋にむけて
| 日時: | 7月29日(土)13:30~18:00(予定) |
| 場所: | 大阪大学 豊中キャンパス 文法経講義棟4階 法42講義室 |
※参加希望の方は、以下のメールアドレスにお名前とご所属を明記の上、ご一報ください。
お申込み・お問合せ先 : iajcs_e〔a〕yahoo.co.jp 〔a〕を@に変えてお送りください。
開催趣旨
グローバリゼーションの進展によって、人・モノ・情報は地球上を目まぐるしく行き交うようになり、各地域を超えたネットワークを生みだしている。そのような状況は、決まった場所に定住した「国民」により社会が構成されていることを自明視する見方の再考をうながした。〈移動〉の加速度化によって、実はそれ自体が私たちの生活の奥深くまで入り込み、その一部となっている(であった)ことに気づいたのである。
本シンポジウムは、〈移動〉に着目し、さまざまな領域の若手研究者の報告を踏まえて議論することを目的としている。〈移動〉という現象が重要なのは、私たちにとって出自、故郷、家族といった、生きるための“根っこ”とはいったい何なのかと問うてくるからである。
〈移動〉によって意識的・無意識的に結ばれるネットワークによって、思いもよらない人びとや出来事と出会う場が作り出され、世界の見方やあり方は大きく変わってきたといえる。そこでは、新しい形で故郷やルーツが再創造され、より多様な文化が生まれてきた。まさに国民国家とは別のあり方がそこでは実現したともいえるだろう。そして、それは私たちの生活の真っただ中で起こっていることなのだ。まさに、現代は〈移動〉が日常化した社会だと言えるだろう。
しかしながら、そういったネットワークは決して安定的な側面だけではなく、新しい形で境界を引こうとする権力の動きを呼び込み、それとの緊張関係を強いられもしている。奴隷制、戦争、経済格差などによって引き起こされた〈移動〉は、ひとりひとりの力ではどうにもできない暴力的で強制的な負の側面を持っているがゆえに、取り上げて考えていく必要がある。むしろ、そういった様々な〈移動〉の経験を重ね合わせて議論していくことこそが重要なのではないか。〈移動〉が生成する可能性と、暴力性・強制性を同じ俎上に載せることによって浮かび上がってくるのは、「ルーツに対する問い」、もしくは「ルーツを問うこと自体に対する問い」であろう。
そのような問いをゆるやかに共有しつつ、本シンポジウムでは、5人の若手研究者の発表とそれに対するコメンテーターの発言を踏まえて、全体で議論する。それぞれは個別の発表であるが、大きくはフィールド研究とテクスト分析という異なるアプローチに分けられる。総合討議では、対話の機会が少ない両者のあいだにどのような架橋が可能なのかを、発表者はもとより企画者、フロアを巻き込みながら、考えてみたい。
〈移動〉が他者に出会うという可能性を押し広げようとする試みであるならば、それを論じる場もまたそうでなくてはならない。このシンポジウムにおいて、それぞれの問題意識を持ちよることで、私たち自身にとっての“根っこ”を問い直す最良の機会としたい。

- 大阪大学HP 周辺図・アクセスマップ
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/top - 大阪大学HPバリアフリーマップ
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/files/toyonaka_barrier-free-2019.pdf
当日のスケジュール
| 1. 趣旨説明 | (13:30開始) |
| 2. 個人発表 | (発表のタイトルと順番は仮のものです。変更になる可能性があります) 猪岡叶英(大阪大学大学院) 祖先祭祀の継承過程にみる沖縄と大阪の往還関係 栗山新也(国際日本文化研究センター日本学術振興会研究員) 三線の移動と積み重なる価値――大阪、ハワイの事例をもとに 西田桐子(工学院大学非常勤講師) テクストの越境、もしくは転移――『アンクル・トムの小屋』の翻訳を中心に 富永真樹(慶應義塾大学大学院) 移動が生む怪異――泉鏡花作品を中心に 番匠健一(同志社大学 <奄美・琉球・沖縄>研究センター研究員) 戦後北海道の開拓移住者と文学――玉井裕志「排根線」と「原野」の可能性 |
| 3. コメント | 辛島理人(神戸大学准教授) |
| 4. 総合討議 | (18:00 終了予定) |
| 主催: | 国際日本学研究会 、 東西若手研究者交流シンポジウム準備委員会(五十音順) 乾英治郎、大道晴香、鈴木彩、湯天軼、ファクンド・ガラシーノ、黛友明、茂木謙之介 |
| 関連サイト: | いしばし評論Facebook https://www.facebook.com/hyoron.ishibashi |
※本シンポジウムは、2016年11月19日に早稲田大学において開催された、大阪・東京若手研究者交流会「他者と想像力――〈日本〉を揺さぶる文化研究のために――」の第2弾である。第1弾の詳細は、http://doshisha-aor.net/place/458/を参照のこと。